倉敷中央病院(岡山県倉敷市、1166床)とNECは22日、2019年6月にオープンする同病院付属の「予防医療プラザ」で、AIを活用した予防医療の取り組みを開始すると発表した。健康診断と診療のデータを組み合わせて分析し、両方のデータの関連性を検証することで、健診結果の予測だけでなく、発症の予測までも視野に入れた技術の検証を進める方針だ。

同病院では、総合保健管理センターを1987年に設立し、年間約3万8000人の人間ドックや各種健診を行っている。その一方で、近年の高齢化に伴い受診希望者は年々増加しており、予防医療の充実と受診体制の整備が必要となっていた。こうした状況を受け、同病院は総合保健管理センターを新築移転し、新たに「予防医療プラザ」を開設する。

 今回の予防医療の取り組みで活用するのは、AIの「異種混合学習技術」と呼ばれるもので、人手では困難だった複雑な予測についても、多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動で発見し、高精度な結果を得ることができるという。

 同病院とNECは、この技術を活用したソフトウエア「健診結果予測シミュレーション」を用いて、総合保健管理センターに蓄積されている過去5年間の約6万人分の健康診断データを分析し、健診結果の予測の精度向上に取り組む。

 具体的には、体重や腹囲、血圧、糖代謝といった健康診断のデータに加え、運動や食事、飲酒といった生活習慣データを基に分析し、生活習慣病の判定に関係の深い検査値(体重、腹囲、HbA1c、空腹時血糖など9種類)を数年後まで予測する。また、「対象者が生活習慣を見直した際の将来的な検査値のシミュレーションを行うことで、対象者の行動変容を促すことが可能」としている。

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