0001しじみ ★
2018/08/18(土) 14:46:39.09ID:CAP_USERその色と大きさから、彼らは海草の切れ端が浮かんでいるようにしか見えず、見つけるのは非常に難しい。米テキサスA&M大学の准教授で魚類担当キュレーターであるケヴィン・コンウェイ氏は、彼らの色は「極めて特別」だと言う。「ペイズリー模様をまとっているようでしょう?」
科学者たちはこのピグミーシーホースに「Hippocampus japapigu」(ヒッポカムプス・ジャパピグ)という学名をつけた。種小名は、日本人ダイバーたちが付けた「ジャパピグ」という以前からの愛称に由来するものだ。
米カリフォルニア科学アカデミーの魚類学者で、今回の新種発見に関する論文を科学誌『ZooKeys』に発表したグレアム・ショート氏は、「ジャパピグ」という愛称について、「地元の人たちは、小さな赤ちゃんブタに似ていると思ったようです」と言う(訳注:「ジャパニーズ・ピグミーシーホース」の略とも言われている)。
■奇妙な背中
愛称で呼ばれるだけあって、このタツノオトシゴはダイバーには何年も前から知られていたが、ショート氏らが詳しく調べたところ、新種であることが明らかになった。
ジャパピグは、これまで見つかっている7種のピグミーシーホースの仲間だ。名前から明らかなように、ピグミーシーホースはほかのタツノオトシゴに比べて非常に小さい。
ジャパピグは、背中の上部に三角形の骨からなる奇妙な盛り上がりがあるなど、いくつかの点で近縁種と違っている。この盛り上がりがなんのためにあるのかは不明だが、異性を惹きつけるための手段として、性選択により進化してきた可能性がある。
ジャパピグは、日本の南東部の海で見つかるほか、東京から287kmの距離にある八丈島にも生息している。幸いなことに「希少種ではありません」とショート氏。
ジャパピグの生息地は、タツノオトシゴの生息地としては少し変わっている。ジャパピグが生息する海域は、冬にはかなり低温になり、夏は高温になる。ほかのタツノオトシゴで、これほど大きな水温変化に耐えられる種はあまりいない。
■目につきにくいことが幸い
ピグミーシーホースは、通常のタツノオトシゴより小さいだけでなく、背中の上部に鰓孔(さいこう)が1つしかない点でも異なっている。大型のタツノオトシゴでは首のあたりの両側に2つ鰓孔がある。
ショート氏は「首の後ろ側に鼻があるようなものです」と説明する。 また、ピグミーシーホースは非常に小さく、「私の小指の爪の上に2、3匹並べられる」(ショート氏)ほどの大きさしかない。
ピグミーシーホースは、カイアシ類やその他の小さな甲殻類などのプランクトンを食べている。「とても活動的で、遊び好きでさえあります」とショート氏。
ただ、科学者がこの生物について言えることはこれくらいしかない。「ピグミーシーホースの生態は、ほとんど分かっていないのです」。
ショート氏によると、現在、大型のタツノオトシゴは中国医学の生薬の原料や水族館での展示用に乱獲され、世界各地で個体数が激減しているという。(参考記事:「乾燥タツノオトシゴ800万匹を押収、ペルーの港で」)
ピグミーシーホースが米粒ほどの大きさなので、捕食者だけでなく人の目にもつきにくい。「見つけにくいピグミーシーホースは、すぐに個体数が減るようなことはなさそうです」とショート氏は結んだ。
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