(CNN) 欧州の研究チームはこのほど、地球から650光年離れた位置にある超高温の惑星について、大気中に気化した鉄とチタンを検出したと明らかにした。惑星の大気中に重金属を検出したのは初めて。

研究結果は英科学誌ネイチャーに今週発表された。惑星の名称は「KELT−9b」で、恒星と系外巨大ガス惑星の中間に位置づけられる「ウルトラホットジュピター」の典型例だという。

その平衡温度は3770度に達し、表面温度も太陽に近い。

KELT−9bは昨年、はくちょう座の調査を行う研究チームが発見した。今回の研究結果を受け、この惑星への関心がさらに高まりそうだ。

研究者のケビン・ヘン氏がブログで明らかにしたところによると、この惑星は極めて高温であるため、大気中の鉄原子やチタン原子は他の分子に結合した形ではなく、単独の原子として検出された。

鉄とチタンは長年、系外惑星形成理論の一部を占めてきたが、直接検出されたことはない。ヘン氏らの研究チームは今回、KELT−9bが恒星の前を通過する際の光の様子を調べ、そのスペクトルデータの揺れから大気中に重金属が存在するという証拠を突き止めた。

ヘン氏によれば、こうした技法は惑星形成に関する貴重な情報などをもたらすだけでなく、将来的には、生命の痕跡を探すうえでも活用できる可能性があるという。

ただ、KELT−9bで生命存在の証拠が見つかる可能性は低そうだ。

KELT−9bは恒星のすぐそばを周回しているため、公転周期は1.5日と短い。さらに、この恒星は太陽の約2倍の温度で、系外惑星の主星として知られている中で最も熱いという。

こうした恒星の存在から、KELT−9bには紫外線や高エネルギーの放射線が降り注いでいるとみられる。

https://www.cnn.co.jp/storage/2018/08/17/f5f6d25d947acf065f973ab33e3d5315/t/768/431/d/kelt-9-system-exlarge-169.jpg

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https://www.cnn.co.jp/fringe/35124212.html