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>  井原辰彦教授(無機材料化学)らは超微細な穴を多数持つ構造のフィルターを開発。
> トリチウムを含んだ汚染水を通すと、穴にトリチウムを含んだ水だけが残り、高い効率で分離できたという。

これ、化学を専攻した人間としては俄かには信じ難いんだよなあ。
微細な多孔質のフィルターで分離するということは通常の水素だけの水分子とトリチウムを含む水分子との分子サイズの差で分離するということだと考えられる。

だが、昔から様々な元素について数知れない多くの実験で確かめられていることとして
同じ元素で同位体の違い(つまり原子核の中性子の個数の違い)による原子サイズ(原子核の周りを回る電子の広がりの大きさ)の違いは非常に微々たるものという科学的事実がある。
だから通常の原子量1の水素原子と原子量3のトリチウム(三重水素)原子とのサイズの差は絶対的な差だけでなく水素原子のサイズとの比率という相対差で見ても非常に小さい。
そういう原子サイズの差が非常に小さいのが酸素と結合して水分子になったとしてもトリチウムを含むか否かでの水分子のサイズの差も非常に小さい。

そういう相対的なサイズ差が非常に小さいものをフィルターで分離できるというのは信じ難いんだよなあ。

この分離が本当に可能ならば、それがどういうメカニズムによって分離可能になっているのかという科学的な理由には極めて興味がある。
場合によっては今まで不可能と思われていた様々な分離処理が可能になるかも知れない、それも遠心分離みたいに膨大な電力や装置を必要とするのでなく、
適当な化合物にしてフィルターを通すことで分離できるようになるとか。例えばウランやプルトニウムの特定の同位体だけを高い濃度に濃縮するとかね。