イースター島に並ぶモアイ像の中には、赤くて大きな“帽子”も飾られたものがあります。
もっとも重いもので13トンもある“帽子”を古代の人々がどんな方法でモアイ像に被せていたのか、
考古学者たちはその方法を解き明かせずにいました。
しかし、その謎を解明する新たな説、しかも驚くほどシンプルな説が発表されたのです。

チリの西岸から3200q以上も離れた場所に位置するイースター島は、人々が暮らす最僻地の1つです。
長さ24km幅12.2qほどの島ですが、13世紀ごろからはポリネシア人の集団が繁栄していました。
ラパ・ヌイという名称でも知られていたこの島で有名なものといえば、
高さ約10メートル重量は81トンを超えるの人面型の石像彫刻、モアイ像です。

これらの石像は、近くの採石場から入手した凝灰岩で作られています。
それらを配置するために古代のポリネシア人は、巨大な石像を左右に揺らしつつ前方へと動かしていました。
現代の私たちが冷蔵庫を運ぶのと同じような動作ですね。
石像のいくつかが被っている大きな“帽子”プカオは赤い岩滓
(編注:がんさい、破片状の火山噴出物)でできており、
その素材は約12kmも離れた別の採石場から入手していました。これらの岩は採石場で円柱状に刻まれ、
さらなる工程のために石像のある場所まで転がされた可能性が高いのです。

しかし、ポリネシア人の建設者らはどんな方法で重さ12トンのプカオを約10mの石像の上に乗せたのでしょうか?
先日、Journal of Archaeological Scienceに掲載された新たな研究は、傾斜路でプカオを巻き上げ、
そして設置するためにロープが使われていた(下の図表を参照)と示唆しています。
この謎を解明しようとしたこれまでの試みとは異なり、この研究の作者たちは論証を説明するため、
島に実在する考古学的な証拠を用いました。

「イースター島の巨大な像の頭上に大きな帽子を置いた方法について、
誰かが体系的に証拠を調査したのは今回が初めてです」と今回の研究の共同著者であり、
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校の人類学者であるCarl Lipoはプレスリリースで語っています。
「我々の研究はもっとも好ましい答えに到達するため、最先端の3Dモデリングを文化遺物の分析、
そして物理学から描写されたモデルと組み合わせたものです」とのこと。

これまで、プカオは像がまっすぐに引き起こされる前に頭上にくっつけられていたと主張する考古学者たちもいました。
しかし、島で見つかった、壊れたり捨てられていたりした石像の残骸はそういうわけではなく、
直立した状態の像の頭上に着けられたのだと示しています。
研究者たちによれば、ポリネシア人は植物の繊維からできたロープと長い傾斜路、
そして掛け縄という手法を使ってこれを成し遂げたんだとか。
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
https://gizmodo.com/ingenious-technique-explains-how-easter-island-statues-1826568241

■今回示唆された「モアイに岩の帽子を被せる方法」
https://assets.media-platform.com/gizmodo/dist/images/2018/06/11/180611Moai3.jpg
https://assets.media-platform.com/gizmodo/dist/images/2018/06/11/180611Moai2.jpg
https://assets.media-platform.com/gizmodo/dist/images/2018/06/11/180611Moai4.jpg

Gizmodo
https://www.gizmodo.jp/2018/06/how-easter-island-statues-may-have-gotten-their-giant-hats.html
続く)