防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の大型降雨実験施設で29日、
ドローンの飛行実験が行われ、報道陣に公開された。

 この施設は国内で唯一、観測史上最大の1時間換算で300ミリの豪雨を降らすことができ、
雨粒の衝撃で機体がどう傾くかなど影響を調べ、
将来的にドローン向けの「大雨アラート(警報)」の作成につなげるのが狙いだ。

 日本気象協会とドローン販売のイームズロボティクス(福島市)などが28日から2日間行った。
この日は1時間換算で180ミリ、300ミリの「局地的豪雨」の中、
ドローンは落下することなく水平移動した。
1時間換算で300ミリの豪雨は2011年の新潟・福島豪雨で観測された。
協会によると、過去2年間のドローン事故の約2割は豪雨や強風などの気象現象が原因だという。

 災害時の物資輸送や状況確認など、様々な分野でドローンの活用が期待されており、
実験後、協会環境・エネルギー事業部の森康彰副部長は「飛行は成功した。
この結果を生かしてアラート開発を実現したい」と話した。
ドローン操縦などを担当したイームズラボ(埼玉県)の伊豆智幸最高技術顧問は
「想定外の場所に浸水するなど課題も見つかった。実験の成果をより安定した飛行につなげたい」と話した。

画像:1時間あたり300ミリの豪雨を再現した実験施設内を飛ぶドロー
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20180530/20180530-OYT1I50009-N.jpg

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/20180530-OYT1T50042.html