こういう論文が掲載されるとなると、
たとえば医者は貴重なデーターを得るために患者の利益を無視して
人体実験をして業績を稼ごうという動機が生じるし、
薬学でもまだ未知の薬の人体作用を調べるために何をしても論文になれば
良いという態度が増長される気がする。
ABC兵器の性能や効能を調べるために、わざと戦闘行為を起こしたりなども
ありだということになると思う。

非倫理的な目的や手段や方法、適切では無いやり方で得られたデーターや資料は
論文の証拠や判断では採用しないべきだ。

裁判でも違法な手段で採取された「証拠」は採用されないと決まっている。
それを採用するとなると、違法な捜査や手段に対する抑制がなくなってしまい、
拷問による自白とか、捜査令状無しで行われる捜査、不当逮捕などが横行して
しまうからだ。目的の為に手段を選ばずという違法行為を是認することになる
ので、そのような捜査や証拠はたとえ内容がなんでも無効として無かったこと
として扱われるのが原則だ。

犯罪の実行によって得られた学識を認めるのなら、犯罪を抑止することには
ならず、マッドサイエンチストになることを奨励する効果をもたらすだけだろう。