最近、スーパーの売場で「甘酒」商品が充実していることにお気づきだろうか?俳句で夏の季語を表す甘酒は、
江戸時代には夏バテ予防として親しまれ、「飲む点滴」の異名を持つが、その健康効果が科学的に検証されたことはなかった。
金沢工業大学は、市販の甘酒に、コレステロール低減と便通改善効果が高い成分が含まれていることを世界で初めて実証した。

 金沢工業大の尾関健二教授と、岐阜県の発酵食品メーカー・厚生産業は、
米に含まれる「プロラミン」という水に溶けにくいタンパク質に着目し、
市販の甘酒に含まれる量を調べた。14種類の甘酒を40mlずつ遠心分離機にかけ、沈殿物からプロラミンを検出。

 製造方法の違いを比べたところ、「米こうじと米のみから製造されている甘酒」が最もプロラミン含有量が多いことが判明した。
プロラミンには、ヒトの消化器官内で消化・吸収されにくく、
食物繊維と似たような「便通改善」や「コレステロール低減効果」があるとされるが、米こうじと米のみで作られている甘酒では、
コップ1杯(約150ml)で十分な機能性を発揮できる量が含まれているという。

 一言で甘酒と言っても、米こうじと酒粕を使った2種類があり、酒粕を使ったものは、アルコールを含んでおり、
カロリーや栄養価もそれぞれ異なる。今回、調査に使った14種類は、
「米こうじと米のみ」「米こうじと酒粕のミックス」「酒粕のみ」「米こうじのみ」と原材料が違ったが、
プロラミン含有量もこの順番で少なくなった。

 研究グループは今後も研究を続けて、プロラミンの量が多い甘酒製法の開発につなげるとしている。今年の夏は甘酒で乗り切るべし!

関連ソース画像
http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/4/4/24415/amazake.jpg
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ハザードラボ
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/4/24415.html