世界各地の大気汚染を調べている米民間機関、健康影響研究所(HEI)は17日に発表した年次報告書の中で、
世界の人口の95%以上が汚染された空気の中で暮らしている現状を明らかにした。

汚染した空気を長期間吸っていたために脳卒中や心臓発作、肺のがんや慢性疾患を起こし、
2016年に死亡した人は、世界で計610万人に上ったと推定される。死因となる健康リスクのうち、
空気の汚染は高血圧、不適切な食生活、喫煙に次ぐ第4位に入っているという。

報告書によると、空気の汚染による死亡例の半数以上が中国とインドで起きている。
16年にインドと中国で報告された屋外での大気汚染による死者は、それぞれ110万人に上った。
大気汚染の状況は中国でやや改善されたのに対し、インドとパキスタン、
バングラデシュでは10年以降で急激に悪化した。

報告書は、調理や暖房にまきや炭などの固体燃料を使うことで起きる屋内の空気汚染も取り上げている。
16年には世界で計25億人がこうした汚染にさらされていた。

大気汚染と屋内での空気汚染の両方にさらされている人の大半は、アジアやアフリカの中・低所得国に住む。
空気の汚染が原因で死亡した人のうち、インドでは4人に1人、
中国では5人に1人が屋内外の両方で汚染した空気を吸っていた。

ただし、世界で固体燃料に頼って生活している人の数は、
1990年の36億人から16年には24億人に減少していたという。

関連ソース画像
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/04/18/5b0e68b9d333f1b03f3088616d96e797/china-air-pollution.jpg

https://www.cnn.co.jp/fringe/35117971.html