>>69
> メルトダウンリスクがないのは事実だが発生する中性子により原子炉自体が放射性物質化するのは免れない
> したがって放射性廃棄物は確実に出る

それはその通りだが、核融合炉で出る放射性廃棄物は中性子照射によって生じるもの(核融合で発生する中性子を炉材の原子核が吸収して放射化したもの)だけ
核分裂炉つまり現用の原子炉のようにウランやプルトニウムの核分裂で生ずる雑多な放射性廃棄物とは量が何桁も違う

核融合炉は発生した中性子を浴びたからといって炉材が必ず放射化するわけじゃないからね
炉材でしかも中性子を1個吸収したら放射性同位体になるような原子核が中性子を吸収した場合だけ放射化する
だから例えばだが炉材で炭素を使用する場合に自然の炭素に極く微量含まれている炭素13以外の圧倒的大部分の炭素12は炉の運転による中性子照射では
現実的には放射化しないと考えて良い(同じ原子核が2回中性子を浴びて吸収する確率は極めて低い)

従って中性子照射を強く受ける炉材は同位体(中性子を2個以上吸収しないと放射性にならない同位体を)濃縮するなどして、
中性子照射で実質的に放射化されないか放射化される確率がとても低いものにすることは原理的に可能だし
放射性廃棄物として出てくる放射性同位体の種類は限られておりその量と比率とは最初からかなりの精度で予測可能だ
通常の原発つまり核分裂炉ではこういう対応策は取れない

核分裂炉は燃料の量に比例した放射性廃棄物が確実に出る、しかも核分裂は通常の核反応(明確な反応式が書ける形の反応)でなく
反応の結果として雑多な元素(の放射性・非放射性な色々な同位体)の混合物を生み出してしまうから
核分裂炉が生み出す放射性廃棄物は様々な性質や半減期のものが入り混じった混合物とならざるを得ないので後処理が非常に面倒で複雑になる

というわけで、核融合炉の放射性廃棄物と核分裂炉のそれとは同レベルの問題のように述べるのは誤解を招き科学的に適切でない