原発事故の健康影響を調べる県の「県民健康調査」検討委員会が5日、福島市で開かれた。
福島医大は2016(平成28)年度の「妊産婦に関する調査」の結果を報告、
新生児の先天奇形・異常の発生率は2.55%(前年度2.24%)で、一般的な発生率(3〜5%)と差がなかった。

 同調査は11年度から継続して行われているが、大きな変動は見られず、一般的な発生率と比べて高くない状況が続いている。
福島医大は18年度も調査を継続し、詳細な分析を進める方針。
先天奇形・異常の中で最も多かった疾患は心臓奇形0.91%(前年度0.75%)で、自然発生率(約1%)と変わらなかった。
また、低体重児の割合は9.5%(前年度9.8%)、早産は5.4%(同5.8%)で、
いずれも人口動態統計を基にした低体重児の全国平均9.4%、早産5.6%とほぼ同様だった。

 一方、産後にうつ傾向と診断された母親の割合は21.1%だった。
福島医大は「経年的に減少傾向だが、産後うつ疑いの推定割合は全国データより高い状態が続いている」と分析。
助産師や保健師による電話、メールなどを使った相談支援を継続していく考えだ。

 調査対象は15年8月1日〜16年7月31日に県内で母子健康手帳を交付された母親と、
同期間に県外で同手帳を交付され、県内で妊婦健診して出産した母親1万4154人。
7326人から回答があり、回答率は51.8%だった。

図:新生児の先天奇形・異常の発生率
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福島民友新聞社
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