でもネズミは論理・推理も使える。
一度臆した状態を自分で振り払って穴に逃げ込むなどの行動をすることがある。
すると本能の条件付けが解除され、それまでの経験を活かして、
鳥が上空から降りてくる時間も測れるようになるし、
動けない仲間を穴に誘い助けることもできるようになる。
そうやって哺乳類は生来身に付けた行動と、推測と成功体験を通じて
得た新しい行動を両立させ、生きる方法をひろげてきた。

これは「技術」の根拠となる「自信」と言い換えてもいい。
なのでいまの人間も自分ができることできないことを常に考え、
自分が自由でいる条件も考える。
自分が何をしたいか、何を培って自分を作れば、望みの人間
なれるかを考えるのは人もネズミも同じだと思う。

いまは脳科学の中の脳の実際の動作の研究と、心理学の
中でも、人の心の直接的な問題解決を図る臨床心理が
最も近づいている時代。マウスを使ってトラウマ現象を
脳手術で取り除くといった乱暴な研究の成果が、スポーツ
のメンタルトレーニングや引きこもりの社会復帰の
訓練カリキュラムの向上に少しづつ反映されてきているよ。

ちなみに上で書いた脳みその前向きな面、後ろ向きな面は
この本は一般書だとわかりやすいと思う。http://amzn.asia/1CWuuxZ