0001しじみ ★
2018/03/01(木) 06:15:58.10ID:CAP_USER地球温暖化が原因でオウサマペンギンの約70%が今世紀末までに死滅する恐れがあるとの研究結果が26日、
発表された。威風堂々とした姿のオウサマペンギンだが、このままでは絶滅に向かうことになると研究者らは警鐘を鳴らす。
オウサマペンギンは魚やイカを餌としている。しかしそれら生き物の生息海域は気候変動によって移動しているため、
ペンギンもより長距離の移動を余儀なくされることとなり、その結果、陸上で待つ幼鳥の給餌にもより多くの時間がかかるようになる。
英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に掲載された論文の共同執筆者で、
仏ストラスブール大学(University of Strasbourg)とフランス国立科学研究センター(CNRS)に所属する個体群生態学者のセリーヌ・ル・ボエ(Celine Le Bohec)氏は「大半の集団繁殖地(コロニー)では今後、親鳥による餌探しのための夏季移動が非常に長くなるなるため、待っている幼鳥が餓死する恐れが出てくる」と指摘した。
ル・ボエ氏は、AFPの取材に「地球温暖化が現在のペースで進行し続ければ、この種は絶滅する恐れがある」と語った。
またル・ボエ氏と研究チームは、オウサマペンギンのつがい110万組が数十年のうちに現在の繁殖地からの移動を余儀なくされると予測している。
現在の傾向が続くと、地球の気温は2100年までに19世紀半ばの水準より3〜4度上昇する。
地球表面温度の上昇幅を、世界197か国が参加する地球温暖化対策の国際枠組「パリ協定(Paris Agreement)」が目標に定める
2度に抑えたとしても、明確な目的地がないまま現在の繁殖地から移動せざるを得なくなるオウサマペンギンの数は、全体の約半数に上る可能性もあるという。
問題なのは、適切な代替地がほとんど存在しないため、採餌を取るか繁殖を取るかの、
勝算のないジレンマが生じることだ。
論文の筆頭執筆者で、モナコ科学センター(Centre Scientifique de Monaco)のロビン・クリストファリ(Robin Cristofari)氏は
「南極海(Southern Ocean)には島が数えるほどしかなく、
しかもその全てが大規模な繁殖コロニーを支えるのに適しているわけではない」と指摘している。
■食物のコンベヤーベルト
体長が1メートル弱で、タキシードを着ているような黒と白の模様に首の周りの橙色の帯がアクセサリーになっているオウサマペンギンは通常、
毎年の繁殖シーズンにそれぞれ1羽のパートナーとペアを組む。
雌が産む卵は1つでほぼ2か月でふ化する。雄と雌が交代で卵を温め続ける。
陸上では、よたよたと不格好な足どりで歩くか、氷上を腹で滑り、ひれ足のような翼を使って前進する。
オウサマペンギンはすみかとする場所への選り好みが激しい。気温が年間を通して耐えられる範囲内で、
冬季に陸地を囲むように海氷が張らず、砂や小石の平坦な浜があるなどが必要となる。
そして何よりも、豊富な餌場が巣の近くになければならない。
魚やイカなどの餌となる生き物が豊富に存在する南極海の湧昇で、
温かい海水と冷たい海水が合流する海域の南極前線(Antarctic Polar Front)が、
この餌場の役目を数千年にわたり果たしてきた。だが気候変動に伴い、
この「食物のコンベヤーベルト」は南方に移動している。
国際チームは今回の研究で、オウサマペンギンのゲノム(全遺伝情報)を分析し、
過去5万年にわたる個体数の変動を再現した。
その結果、過去に何度か発生した自然の気候変動でも海流と海氷の分布が変化したが、
オウサマペンギンはその都度、変化に適応してきたことが分かった。
論文の主執筆者で、
イタリア・フェラーラ大学(University of Ferrara)と
オーストリア・ウィーン大学(University of Vienna)に所属する進化遺伝学者のエミリアーノ・トルッキ(Emiliano Trucchi)氏は
「オウサマペンギンはこれまで、最も安全な繁殖地を見つけるために、かなり長い間あちこちに移動することが可能だった」と説明するが、
今回の変化に関しては、人為的な気候変動があまりにも突然で急速すぎると指摘している。(c)AFP
画像:オウサマペンギン
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AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3164317