北方4島や千島列島に生息しているラッコが、
北海道根室市沖のモユルリ島付近を繁殖地としている可能性が高いことが専門家の調査で明らかになった。

 北方4島以外の国内ではこれまで繁殖が確認されたことはないという。
モユルリ島の対岸にある花咲港に姿を見せることも多くなっている。

 水産研究・教育機構北海道区水産研究所の服部薫研究員によると、ラッコは択捉島に約1000匹、
歯舞群島に数十匹が生息しているとみられるが、4島を除く道内では繁殖が確認された記録はない。
2014年にモユルリ島で初めて親子の存在が確認され、
その後16年と今年夏にも、親子でいるところが観察されており「繁殖は確実」という。

 花咲港の灯台付近には、今年も7月以降、1匹または数匹で現れ、花咲ガニなどを捕まえてはあおむけになって、
食べる姿が見られるようになった。

 根室市歴史と自然の資料館の外山雅大学芸員は「花咲港はモユルリ島に比べ、高波の影響を受けにくいせいか、
台風などで海が荒れるとやってくることが多い。そっと見守っていてもらいたい」と話している。

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/20171116-OYT1T50009.html