神経回路の修復物質発見=難病治療薬に応用期待−大阪大

膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンのような物質が、脳や脊髄にある神経回路を修復させることが分かったと、大阪大の村松里衣子准教授らが22日、米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションに発表した。
 
この物質「FGF21」は将来、手足がしびれたり、視覚や排尿・排便などに障害が起きたりする難病「多発性硬化症」の治療薬開発につながる可能性があるという。
 
脳や脊髄の中枢神経細胞は電線のような軸索を伸ばし、他の神経細胞に電気信号を伝えている。軸索は髄鞘(ずいしょう)と呼ばれる絶縁膜に覆われているが、髄鞘が脱落した部分が増えると神経回路に障害が起き、多発性硬化症などを発症する。
 
村松准教授らはマウスの実験でFGF21の髄鞘修復作用を発見。培養細胞実験で、人の髄鞘になる前段階の細胞を増やすことを確認した。 (2017/08/22-18:52)

▽引用元:時事ドットコム 2017/08/22-18:52
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082200986&;g=soc

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大阪大学 研究リリース速報 2017年8月22日
傷ついた神経回路を修復させる仕組みを解明
http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2017/20170822_1