社会
ヒアリ
刺されたら、魔法の合言葉は「ひあり おくやみ」
毎日新聞 2017年7月28日 19時43分(最終更新 7月28日 21時24分)


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ヒアリが確認された日と場所


「アナフィラキシー」などで勝田吉彰・関西福祉大学教授


 全国各地で見つかっている南米原産の強い毒性を持つ外来種「ヒアリ」で国内初の被害者が出た。刺された男性は痛みだけの軽症だったが、まれに急速なアレルギー反応「アナフィラキシー」が出ることがある。
勝田吉彰・関西福祉大学教授(渡航医学)は、刺された時の対応を「ひあり おくやみ」という合言葉でまとめ、急変時には周囲の人の協力も必要と訴える。

 アナフィラキシーは数分〜数時間で全身の発疹や呼吸困難、血圧低下、意識障害などを招く。ヒアリの毒にはハチの毒と共通の成分が含まれ、ハチ毒のアレルギーを持つ人は特に注意が必要。
勝田教授によると、外国ではヒアリに刺された人の約2%がアナフィラキシーになったという報告があるという。

 怖いのは、症状が進行すると自分一人で対応できなくなることだ。呼吸困難で119番できなかったり、急に意識を失って倒れたりした場合は、周囲の助けが必要になる。勝田教授は「近くの人がしばらく一緒にいて、状態を見守るようにしてほしい」と話す。

 環境省がホームページで公開している対処法では、刺された直後は20〜30分ほど安静にして体調の変化を見極め、急変があれば救急車などですぐ病院へ行くよう求めている。
日本アレルギー学会は、ホルモンの一種のアドレナリンを筋肉注射するのを最優先の治療法としており、「エピペン」と呼ばれるアドレナリンの自己注射薬もある。【野田武】


ヒアリに刺された時の対応「ひあり おくやみ」

ひ=(患部を)冷やす

あ=(患部を)洗う

り=リスクだと認識

おく=お薬

や=休む

み=見守る


https://mainichi.jp/articles/20170729/k00/00m/040/051000c