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 熊本県天草市の8000万年前の白亜紀後期の地層から、ティラノサウルスの仲間とみられる大型肉食恐竜の歯の化石が見つかった。

 天草市は2014年10月、福井県立恐竜博物館と共同で天草町の海岸にある姫浦層群という白亜紀後期の地層を調査した結果、ティラノサウルス科の仲間とみられる歯の化石を発見した。

 化石は歯肉から上の歯冠部分のみで、長さは42ミリ、幅25ミリ、厚さ16ミリ。化石が見つかった岩に残された痕跡から、もともとは長さ56ミリ以上の大きさであったことが推測されるという。歯の縁には、のこぎりの刃のようなギザギザの切れ込みがあり、左上顎か右下顎の歯だと考えられている。

 天草市御所浦白亜紀資料館の調査チームは、「断面の形がふくらみのある楕円形をしており、ティラノサウルス科とみられる特徴と類似している。全長7メートルを超える大型肉食恐竜と推定される」と指摘している。

 天草市の姫浦層群の地層からは、1997年にも草食恐竜の歯と足跡の化石が見つかっている。くわえて、2008年以降、鹿児島県薩摩川内市と長崎市の地層からも、大型の肉食恐竜の歯や骨の化石が複数見つかっていることから、調査チームは「九州にかつて多様な大型肉食恐竜が長い間生息していたことを裏付ける証拠だ」と話している。

 今回発見されたティラノサウルスの仲間とみられる化石は、今月15日から9月3日にかけて、天草市立御所浦白亜紀資料館で公開される。

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ノコギリの刃のようなギザギザがみられる(提供:御所浦白亜紀資料館・福井県立恐竜博物館)