マラリア感染が骨を黒くする  重要な熱帯感染症の隠れた病態を発見

研究成果のポイント
・マラリアから回復後も、長期的な骨の異常や低成長に悩まされる患者がいる
・マウスモデルを用いて、マラリア感染で骨恒常性が阻害され黒く変色し密度が減少する仕組みを解明
・ビタミンD3類縁体であるアルファカルシドール※1の補給によりマラリア感染による骨量減少を改善

概要
大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC)のCevayir COBAN(ジョヴァイア・チョバン)教授らの研究グループは、骨にマラリア原虫の生成物が蓄積することで骨に慢性的な炎症が起き、それが骨量減少の原因となっていることを発見しました(図1)。
また、ビタミンD3類縁体であるアルファカルシドールの補給によってマラリア感染による骨量減少を防ぐことができ、マラリア感染による骨量減少を回復させる方法も示すことができました。

マラリア治療後にこの骨療法を用いることで、マラリア感染者における骨状態が改善されることが期待されます。
本研究成果は、米国の科学雑誌『Science Immunology』(6月2日(金)付け:日本時間6月3日(土)午前1時)にオンライン掲載されました。

図1 正常な骨(左)とマラリア原虫の生成物が骨髄ニッチ※2に蓄積して黒く変色し密度が減少した骨(右)
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--- 引用ここまで 全文は引用元参照 ---

▽引用元:大阪大学 2017年6月3日
http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2017/20170603_1