ティラノサウルスの“本当の顔”が残念すぎる! やはり鳥ではなくトカゲ顔だったことが判明(最新研究)

tocana / 2017年4月12日 7時30分

 恐竜界のスーパースター・ティラノサウルスの顔は、超敏感な高性能アンテナのような感覚器官だったかもしれない。
アメリカで発見された新種のティラノサウルスの化石の研究結果が学術誌「Scientific Reports」で公開され、話題となっている。
論文によれば、ティラノサウルスの顔はまるでクロコダイルのような鱗で覆われており、非常に優れた感覚器官として機能していた可能性があるという。
英「Sunday Express」など多数のメディアが報じている。

■新種ティラノサウルスを徹底分析

 ティラノサウルスは白亜紀後期(約7200万〜6600万年前)に生息していた肉食恐竜だ。地球史上最大かつもっとも恐ろしい肉食獣として広く知られているが、
その姿形や生態については未だに謎が多い。

 今回調査されたのは、新種のティラノサウルス「Daspletosaurus horneri」の化石である。米国モンタナ州で発見されたもので、
体長は約9m、尾の長さは2.2mほどだったと推定されている。米国・カーセッシ大学のトーマス・カー氏らのチームは、
この化石の頭蓋骨の形状を細かく調査し、現在のワニや鳥類5種と比較することで皮膚や神経の構造を推定した。

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■ティラノサウルスの“最新顔”が完全にワニ

 結果、示されたのがティラノサウルスの顔の新たな復元予想図だ。ティラノサウルスの顔は、現在のワニに見られるような触覚感度の高い、
大きく平たい鱗で覆われていたという。また、興味深いことに、研究者らはティラノサウルスの顔に三叉神経の痕跡を発見した。

 三叉神経は動物たちの驚くべき感覚能力、例えば鳥が磁場を感知したり、水辺に沈んだワニが少しの振動から獲物を見つけたりするのに大きく関わっている。
カー氏らはティラノサウルスの顔は現代のクロコダイルとよく似て、非常に敏感だったと推測している。ワニの顔面に存在する感覚器の精度は、なんと人間の指先以上ともいわれており、獲物の探知や同定から仲間同士の挨拶、巣の温度調節にまで幅広く活用している。ティラノサウルスも似たような使い方をしていたと考えられる。

 今回の推定は、ティラノサウルス上科すべてに応用できるという。恐竜の王者だけあって映像化の機会も多いティラノサウルスは、
その時その時の最新の研究結果を盛り込んで、時代ごとに描かれ方が変遷している。以前はワニやトカゲを彷彿とさせるデザインが多かったが、
最近では鳥のような顔で描かれがちなティラノサウルス。今回の結果を受け、再びワニ顔に戻るかもしれない。鳥のイメージが強烈だっただけに、
「やっぱり巨大トカゲか……」と残念に思った読者もいるかもしれないが、今後の研究によって再び更新される可能性もあるだろう。期待して待とう。
https://news.infoseek.co.jp/article/tocana_51614/