2017.03.21
CMを見ていると、ピンク色の服を着た宮崎あおいの後ろでフラミンゴの群れが一本足で立っていた。鮮やかなフラミンゴの立ち振る舞いはまるで幻想の生き物のようだ。
フラミンゴは見ているだけでパッと気分が華やぐというか、現実から離れたリゾート感が漂っている気がする。

 そんなことを思う筆者なので、動物園でフラミンゴを見ることができるとテンションがあがり、やたらたくさん写真を撮ってしまうのだが、
最近ふと、フラミンゴの体がなぜあのような色をしているのか、その理由について自分がまったく知らないことに気が付いた。

 ■ピンク色の秘密は『カロチノイド系色素』にあり

 そこで今回は「名古屋市東山動植物園」のスタッフ、東山総合公園管理課の太田耕治さんにフラミンゴがピンク色である理由について伺ってみた
(ちなみに鳥インフルエンザの影響により、現在残念ながら東山動植物園でのフラミンゴの観覧は中止になっている)。

 「フラミンゴが食べる藻類や無脊椎動物に含まれる『カロチノイド系色素』が羽に蓄積してピンク色になります。生まれたばかりの
フラミンゴのヒナは灰色をしており、完全にピンク色になるまではディスプレイ(求愛行動)と繁殖はしないようです」(太田さん)

 なるほど、ピンク色になることでようやく求愛、繁殖が行われるということなのか。あの色になってようやく一人前のフラミンゴとして認めらるのだ。
動物園でフラミンゴを飼育するにあたり、羽のピンク色を維持するためにはどんな配慮をしているのだろうか。

 「ピンク色を維持するために『カロチノイド系色素』を取り入れ続けないといけません。したがって、動物園では合成色素の
『カタンキサンチン』と『カロチノイド』を含んでいる『オキアミ』や『アミエビ』をエサとして与えています」(太田さん)

 ■なぜ一本足で立っているのか

 フラミンゴのもう一つの特徴と言えば“一本足で立つ”ことだ。動物園で目にするあの姿についても理由を伺った。

 「基本的にフラミンゴは立って過ごすので、足を交互に折り曲げて休ませているのではないかと考えられます。疲れて立っていられなくなり、
しゃがんでしまうと足が長いため、立ち上がるのに時間が掛かり天敵に襲われやすくなりますから」(太田さん)

 「他に、フラミンゴの長い足を水中に漬けたままにしておくと、体温を奪われてしまうので、最低限必要な一本の足だけを伸ばしているという説もあります。また、足を折り曲げ、持ち上げて体に付けると、
残りの一本の足はまっすぐ伸びて立ってはいますが、全体としては地面の上で休んでいるような姿勢になるので、この姿勢がリラックスできるのだという説もあります」(太田さん)

 人間の身体の感覚で考えると一本足で立っているのは、かなり疲れそうな気がするのだが、フラミンゴが生きる上ではあの姿勢が重要だということだ。聞けば聞くほど生き物の不思議さが感じられ、フラミンゴへの興味が深まった。

http://www.zakzak.co.jp/zakjyo/watcher/news/20170321/wat1703211810004-n1.htm?view=pc

 「教えて!goo」では、「なぜ?と思う動物の生態は?」ということでみんなの意見を募集中だ。

 取材協力

 「名古屋市東山動植物園」

 住所:名古屋市千種区東山元町3-70

 入園時間:入園時間:午前9 時〜午後4 時30 分(閉園は午後4 時50 分)

 休園日:月曜日(国民の祝日または振替休日の場合はその翌日)

 教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)