難病、特発性間質性肺炎の新しい血清マーカー発見

本研究成果のポイント
・難病、特発性間質性肺炎の新しい血清マーカーを発見
・本血清マーカーで、特発性間質性肺炎のサブグループ化の実現や、外科的肺生検ではなく血清検査で診断できるようになり、患者の侵襲・負担が軽減
・今後診断の進歩で、特発性間質性肺炎の原因解明につながる期待

概要
大阪大学の濱野芳匡特任研究員、木田博助教、熊ノ郷淳教授(大学院医学系研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学)らの研究グループは、難病、特発性間質性肺炎※1 のサブグループを認識する血清マーカーを発見しました。

現在、特発性間質性肺炎は、外科的肺生検※2 という検査方法で幾つかの疾患に分類されています。ただし、原因不明の難病であるため、その検査方法も課題を抱えています。
その一つは、侵襲が高く患者さんの負担が大きいことで、全身麻酔を伴うため、検査を受けられないケースもあります。
もう一つは、分類されたそれぞれの疾患の中にも、患者さんにより病気の進行や薬剤に対する反応のバラツキがあることです。
特発性間質性肺炎には、病気の成り立ちが違う幾つかのサブグループが混在していると考えられますが、特発性間質性肺炎の原因はいまだ明らかにされておらず、今のところ根治的な治療法はありません。

今回、熊ノ郷教授らの研究グループは、特発性間質性肺炎患者血清自己抗体を、タンパク質アレイ法という網羅的手法で調べることにより、MX1(ミクソウイルス耐性タンパク質)※3 に対する自己抗体※4 (抗MX1抗体)が陽性となる一群の患者が存在することを解明しました。
これにより原因不明の難病、特発性間質性肺炎の診断が進歩し、将来的には特発性間質性肺炎の原因が解明されることが期待されます。
--- 引用ここまで 全文は引用元参照 ---

▽引用元:大阪大学 研究リリース速報 2017年3月2日
http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2017/20170302_1