若い女性(20前後)が死ぬ映画はヒットする。

映画に限らず、テレビドラマも、アニメも、漫画も、小説も、歌も、ゲームも、ノンフィクションドキュメント物も同じ。

何故か。

考えてほしいのは、親が死ぬことでストーリーを盛り上げようとする作品はほぼ皆無であること。

そして、多くの若い世代にとっては、恋人である女性との死別を経験することは可能性として低いが、

親との死別はたいてい経験するであろうということ。

ここに、私(SPA!愛読者)は、ニートやパラサイトシングルが増えた日本の社会病理を見る。

すなわち、娶ろうともせずカノジョも作ろうとしない草食男子にとって、恋人の存在は御伽噺である。

だから、作品の中で恋人が病死しようと事故死しようと、見るのがつらい、という感情は起こらず、

高校野球やオリピックと同類の、感動の涙の対象にしかならない。

一方、親との死別は、ニートにとって死活問題である。

だから、親との死別を描いたドラマは、ニートから避けられ、人気がでない。