あらゆる支配を免れし完全なる自由は、
他の人々による節度を有せし支配に少なからず劣るなり。


不正を非難する人とは、己れが不正をなすことを怖れて
非難するにあらずして、不正を被らんことを怖れて非難するなり。


人間のことはなににてあれ、大いなる心労に値せず。


人類の暴君たる法は、本性に反する多くのことをなすべく、しばしばわれわれに強制す。


俗衆の神々を否定することが冒涜にあらずして、俗衆の見解を神々に適用することが冒涜なり。


哲学者の全生涯は、まさに死にいたることと、その死を成就することとにほかならず。


子供はすべての動物のうちで最も取り扱いがたい。
というのは、子供はまだ鍛練されていない思慮の泉をもっとも多くもつだけに、
動物のうちで最もずるく、すばしこく、高慢であるからなり。


寡頭政治とは、財産の評価に依存する政府にて、
そこで富者が権力を有し、貧者が力を奪い取られる。


専制君主の懇願には強制がまじる。


少年たちの勉学を強制と厳格さによりて訓練せず、
彼らに興味をいだかせるべく導くならば、彼らは心の張りを発見せん。


少年を暴力と厳しさによって教え込もうとするな。彼の興味を利用して指導せよ。
そうすれば自分の能力がどこに向いているか、少年自身で見出しやすくなる。


恋する者の狂乱は、あらゆる狂乱の中で最も幸いなるものなり。


戦争と極貧は国制の転覆を強制し、法律を改変す。


本質と存在の融合が最高度に実現されるのは、まさに愛をとおしてのみである。


正義とは、己れにふさわしきものを所有し、己れにふさわしきように行為することなり。

プラトン