創意工夫、独立独歩、
これをつらぬくにはたゆまぬ努力がいるし、
同時に、ひとりよがりに陥らぬための、
しっかりした哲学が必要となる。


独創的な新製品をつくる
ヒントを得ようとしたら、
市場調査の効力はゼロとなる。
大衆の知恵は決して
創意などはもっていないのである。
大衆は作家ではなく、
批評家なのである。


日本人は、
失敗ということを恐れすぎるようである。
どだい、失敗を恐れて何もしないなんて人間は、
最低なのである。


発明はすべて、
苦しまぎれの智恵だ。
アイデアは、
苦しんでいる人のみに与えられている
特典である。


悲しみも、喜びも、感動も、落胆も
つねに素直に味わうことが大事だ。


模倣、依頼、同調といった精神は、
今ではどのような価値も生まないだけではなく、
人々を根底から破壊する役割さえ果たしている。

- 本田宗一郎 -