ペットとして人気のある外来種のミドリガメが各地で野生化して繁殖し、農作物に被
害を及ぼしているとして、環境省は駆除のための調査に乗り出す。

 全国で3か所程度をモデル地域に選び、効果的な駆除方法などを調べるため、201
6年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。ミドリガメは生態系への影響も懸念され
ており、同省は調査結果をもとに、自治体に駆除を促したい考えだ。

 ミドリガメは、祭りの屋台やペットショップで購入でき、同省の推計では全国で約1
80万匹が飼育されている。一方、飼いきれずに捨てられるケースが後を絶たず、雑食
で繁殖力も強いことから、野生の生息数は、飼育数を大幅に上回るとみられる。

 各地で野菜などの食害が深刻化。日本の固有種である「ニホンイシガメ」の餌や生息
場所も奪っていて、専門家は、野生のカメに占めるミドリガメの割合は5割を超えたと
推定する。

 同省の調査では、被害地域を中心にミドリガメの生態を調べ、効果的な駆除方法を検
討する。一部の自治体では、かご型の網で捕獲したり、全地球測位システム(GPS)
で行動パターンを把握してからワナを仕掛けたりしており、こうした取り組みも参考に
する。

読売新聞:http://www.yomiuri.co.jp/eco/20150728-OYT1T50083.html?from=ytop_top