千葉県の部落の数は1921年は22、35年に39、67年に14、75年に18、85年に19となっており、全国でも部落の少ない県である。
一地区平均では同和関係世帯が38世帯となり、全国平均が71世帯であるからほぼ2分の1の規模となり、同和関係が小数点在の混住部落が多い。
最大の地区でも野田市のA地区で177世帯であり、最小は東金市のB地区で3世帯である。
81年の千葉県同和地区調査では、就業者のうち農業が77%と多く、他に建設、サービス、卸小売がそれぞれ5%、その他6%となっている。
商工業者は99企業で、従業員数1〜4人が90企業、5〜9人が5企業、20〜29人が3企業と圧倒的に零細である。
農業経営でも平均耕作面積は0.65haの約半分である。
生活保護率は、このきびしい生活実態を反映して地区のある13市町平均6.3%に比べ、部落は19.6%と高い。
また85年の県労働実態調査で有業者の学歴を、県全体の就業構造基本調査と比べると、
学歴なしは0.2%と0、小学又は中学卒は67.6%と29.9%、高校又は旧中学卒は27.8%と45.2%、
短大又は高専卒は1.7%と7.5%、大学又は大学院は1.5%と17.5%となっており、部落がいかに低学歴であるかを示している。
さらに未指定20ほどの地区は同和対策が行なわれていないため、さらに劣悪な状態に放置されているが、
地元で反対しているものもあり、把握はむつかしい。