http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010102002000028.html
「つぶやき」も傍受せよ 米、新テロ対策で法制化へ

2010年10月20日 朝刊

 オバマ米政権は、テロ対策として、インターネットの簡易投稿サイト「ツイッター」や
会員制交流サイト「フェースブック」など、多数のユーザーが情報を発信し合う
「ソーシャルメディア」と呼ばれる通信分野の本格的な傍受に向け、法制化に
乗り出すことになった。捜査当局による傍受を可能とする技術の導入を関連事業者に
義務づける方針だが、プライバシーの侵害につながるとの懸念も広がっている。(ワシントン・嶋田昭浩)

 「通信事業者が、裁判所が許可した当局の通信傍受に応じられない事例がある。
多くのプロバイダーが傍受技術の導入を義務づけられていないからだ」

 米連邦捜査局(FBI)のモラー長官は十月六日、ワシントンでの講演で、
傍受範囲拡大の意図をにじませた。対象の詳細には触れなかったが、
ツイッターやフェースブックなどが念頭にあるとみられた。

 長官は、昨年十二月の米デルタ機爆破未遂事件などにかかわったとみて
米当局が行方を追うイスラム教指導者アンワル・アウラキ師=米国籍=らが
インターネットを通じて世界中に影響を与えていると主張。「テロ戦術と
通信手段の進化が、われわれの仕事を以前に比べ非常に困難にしている」と指摘した。

 長官は同時に、捜査当局が抱える問題として「この分野をカバーする重要な法律が一九九四年以来変わっていない」と強調。
(続く)