「プロデューサーやディレクターって、何をする仕事なんですか?」と尋ねられたら、僕は迷わず、「捨てる作業をすること」と断言します。
抱えきれないほどのアイデアがある中で、プランナーやデザイナーやプログラマーからの要望を全部入れる余地はないし、予算も時間もない上に、何でもかんでも詰め込みきれないですしね。

そうであれば、本当に必要なものだけを目一杯詰め込む。そこで重要になってくるのが、捨てることです。
何を採用するかも大切ですが、それ以前に何をしないのか。やらないことによって、やるべきことがどんどん見えてくる。
それらを明確にせず、何でもありにやってしまうと、ただの悪ふざけになってしまいます。
ですから、何事においても取捨選択を繰り返し、最終的には自分のスタイルを作り上げること。
そして精神論になってしまいますが、誰に何を言われようと、ぶれないことです。

【後編】『ゲームという概念からどこまで脱却できるか』セガゲームス/セガ・インタラクティブ 名越 稔洋さん
https://www.creativevillage.ne.jp/813