「―――ええい! くそっ! くそっ! あーもうちくしょー不幸すぎますーっ!!」

我ながら変態じみた叫び声だと思いつつも助手は凄まじい逃げ足を止めようとしない。
深夜の裏路地を走り抜けながら、チラチと背後を振り返ってみる
8人。
もうかれこれ2キロ近く走り回っているのに、まだ8人。
無論、元外国人部隊のコックさんでもなければ現代まで生き残った機甲忍者でもない助手には
この人数相手にケンカをしたって勝ち目はない。
元より、探偵同士のケンカなんて1対3を越えたら話にならない。
実力うんぬん以前にまず『無理』だ。