子どもの貧困問題扱った6回シリーズ 別の1回の写真も

 中日新聞社(名古屋市)は12日朝刊で、子どもの貧困問題を扱った今年5月の連載の一部に事実ではない記述や写真があったとして、6回シリーズのうち記事全文と別の1回の写真を削除したとする「おわび」を掲載した。
「記者が事実と異なる取材メモを作成し、それを基に原稿を書いたことなどが原因」としている。

 首都圏で発行する東京新聞でも同様の「おわび」を掲載した。

 中日新聞紙面によると、問題の連載は「新貧乏物語」第4部「子どもたちのSOS」。
病気の父親がいる中学生を取り上げた第3回で「教材費や部活の合宿代も払えない」など3カ所の記述が事実ではなかった。
また、パンの移動販売で生計を立てる母親を手伝う少年を取り上げた第1回で少年の後ろ姿の写真が実際の販売現場ではなかった。

 関係者から指摘を受け、社内調査で発覚した。
記者は「原稿を良くするために想像して書いてしまった」と話しているという。

 紙面では、臼田信行・名古屋本社編集局長の「記者が事実と異なることを自ら知りながら書いたことは到底許されません。深くおわび申し上げます。今回の事態を極めて重く受け止め、記者をはじめ社内の関係者を厳正に処分する」とのコメントを載せた。

 毎日新聞の取材に、中日新聞社の平田浩二・名古屋本社編集局次長は「紙面に掲載した内容の通りです」としている。
 

<中日新聞>連載1回の記事全文削除 「おわび」掲載
毎日新聞:2016年10月12日 11:27
http://mainichi.jp/articles/20161012/k00/00e/040/218000c