IOC パリオリンピック ロシアとベラルーシ国籍選手の開会式での入場行進認めず | NHK | パリ五輪
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2024年3月20日 20時41分

IOC=国際オリンピック委員会は19日、理事会を開き、この夏に行われるパリオリンピックで「中立な立場の個人資格の選手」として参加を認めるロシアとベラルーシの国籍の選手について、開会式での入場行進を認めないことを決めました。

IOCは19日、スイスのローザンヌで理事会を開き、ことし7月に開幕するパリオリンピックの準備状況や運営面の課題などについて議論しました。

このなかで、ウクライナへの軍事侵攻を理由に国や地域の代表ではなく“AIN”と呼ばれる「中立な立場の個人資格の選手」に限って参加が認められたロシアとベラルーシの国籍の選手について、7月26日に行われる開会式での入場行進を認めないことを決めました。

閉会式への参加については今後、判断するとしています。

また、AINの選手がメダルを獲得した場合、表彰式では新たに制作された専用の旗や賛歌を使用するということです。

IOCで各国のオリンピック委員会の連携などを管轄するジェームズ・マクラウド氏は、理事会後の会見で「開会式に個人資格の選手が参加しないことは過去の大会にならって判断した。両国の選手が競技に参加できるかどうかは独自の資格審査委員会で非常に厳しい条件で判断される」と話しました。

IOCによりますと現時点で参加資格を得ているAINの選手は、ロシア国籍が12人、ベラルーシ国籍が7人だということです。

今回の理事会では、ロシアが友好国を招待して開催することを計画しているスポーツ大会『フレンドシップ・ゲームズ』について、「ロシア政府による完全に政治化されたスポーツ大会の設立を強く非難する」などとする宣言も採択されました。

ロシア「差別的な状況に憤慨している」

IOCが、ロシアとベラルーシの国籍の選手に対して開会式での入場行進を認めないと決めたことについて、ロシア外務省のザハロワ報道官は20日、会見の中で「IOCの決定は違法かつ不公平で容認できない。前例のない差別的な状況に憤慨している」と批判しました。

また、ロシア大統領府のペスコフ報道官も記者団に対し「オリンピズムの理念にとっても有害であり、アスリートの利益を侵害するものだ。IOCの評判にも悪影響を及ぼすだろう」と述べました。