NHK
2022年2月16日 午後8:39 公開
(2月16日夕方オンラインでインタビューをしました。読みやすくするために一部修正しています。)

田中キャスター:
ニュースウオッチ9の田中です。よろしくお願いします。
早速ですが、ロシア軍が部隊を撤収したといわれる映像が出て来ました。ところが、日本時間のけさ5時半のアメリカのバイデン大統領の会見では、「部隊に全く何ら動きは見えない」という言葉や、これまでロシア国境・ベラルーシ国境に13万人と言っていた兵力が「15万人以上」となっていました。小泉さんは、ロシアが発表した一部部隊の撤退の動きをどうご覧になってますか。

小泉悠さん:
そうですね、一部撤退かもしれませんけれども、全体としてみると、ウクライナ周辺に展開している部隊が大きく減ったようには、やはり感じられない。あの今回の危機の大きな特徴って、ロシアでTikTokが非常にはやっていて、現地の住民たちが部隊の動きをTikTokにどんどん投稿してくるというのが、すごく顕著なんですよね。
これを見てみますと、国境の周りにいる部隊は、まぁほとんど変わっていないだろうと私は思っています。部隊は今でも、まだウクライナ周辺に集まり続けているものもあるようですし、それから先週以来の非常に顕著な特徴っていうのは、これまでは部隊がこの基地の中に集まるわけですけれども、
先週ぐらいから基地から出てきて、本当にこのウクライナの周辺の国境地帯に集まっていたわけですね。その状況が顕著に変わってるという感覚を、私はまだ持てずにいます。
もう1つ気をつけなければいけないのは、昨年の春にもロシアは国境に部隊を集めて、4月に一度、ショイグ国防大臣が撤退と言ったわけです。ところがこの時の撤退は、戦車とか大砲とか重装備の大部分は、ウクライナの周りに置いたまんま、兵隊だけ撤退しているんです。
そして、また兵隊が去年夏か秋に戻ってくると、兵力が回復されるということが起きたのです。だから今回の撤退というのも、どのぐらいのレベルの撤退なのかってことは、まだしばらく見極めないと、これで軍事的危機は去ったと簡単に言えない状況であると思っています。
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
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