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2月14日アメリカに一時帰国したウィルソンは「人種差別撤廃提案」が
国内法の改正に言及しており、内政干渉に当たるという国内の強い批判に直面することとなった
アメリカ合衆国上院では「人種差別撤廃提案」が採択された際には
アメリカは国際連盟に参加しないという決議が行われており、ウィルソンもこの反対を抑えることはできなかった

3月14日、牧野はオーストラリアのビリー・ヒューズ首相と会談したが
ヒューズ首相は国内事情から賛成できないと述べ、その後のイギリス帝国各国代表を交えた会議でも強硬に反対した

4月11日夜の国際連盟委員会最終会合において、牧野は連盟規約前文に
「国家平等の原則と国民の公正な処遇を約す」との文言を盛り込むという修正案を提案した
イギリスのセシル元封鎖相は「このような文句の挿入は全く無意味であり、
意味があるとするなら、重大な反対をしなければならない。(中略)この問題は国際連盟成立後の活動に待つべきである。
日本は現時点において五大国のひとつである事実をみれば、待遇の優劣は国際連盟においては問題にならない」と反対した