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大戦後欧州政局の絶えざる紛糾、極東事態の切迫等、彼が世界に向って行う以夷制夷の策謀が
常に其の因をなせるもので一一例を挙げて指摘するまでもない。

其他かの集団的安全保障機構なりとする國際連盟の如き初より英國並に其の一連の陰謀を逞しうする
絶好の巣窟であること、更に中立的の米國を搦め手より手を廻し英米合作に成功せんと頻りに腐心せることなど、
すべて皆自己の実力の薄弱を補はんための藩屏(はんぺい:1 垣根。防備のための囲い 。2 守護するもの。特に、王家を守護するもの。)
たり味方たらしめんとするに外ならないのは余りにも明白だ。

ここに更に最も見逃すことの出来ないことは、彼が長年に亙り培えるその世界的通信網を利用して各国の人心を
籠蓋(ろうがい:おおいかぶさること。人をある場所に押しとどめて、他へ移らないようにすること。)し、
世界の与論を麻痺せしめて常に悪質外交の遂行に最も効果的に役立たせていることである。

ろ う が い イギリス