■汗と知恵による勤勉革命

江戸システムで土地生産性が大幅に向上したのは、
より多くの汗と知恵の投入の結果である。
飼料のために広い土地を必要とする牛馬を減らし、人力で代替した。

そのために土地や作業にあった鍬などの農具が開発された。
また都市部の糞尿や生ゴミが農村に貫流されて、
肥料として利用されるというリサイクルシステムを確立した。
これにより衛生的な都市生活と、農業生産性向上を両立させる事ができた。

さまざまな創意工夫は多くの農書にまとめられ、各地に広められた。
それを読むために、一般民衆の就学率、識字率は
ヨーロッパ諸国に比べても段違いに高い水準となった。

勤勉と教育を尊び、ものを大切にする我が国の文化特性は、
江戸システムの発展を通じて、形成されたのである。
ヨーロッパの産業革命(Industrial revolution)に対して、
日本は勤勉革命(Industrious revolution)を行ったと称されている。