・ボリビア、モラレス大統領が辞任表明 不正選挙疑惑で

動画:https://youtu.be/VBX0dWfGDMI

【サンパウロ=外山尚之】南米の資源国、ボリビアの左派モラレス大統領は10日、辞任を表明した。4選を決めた10月20日の大統領選で不正を働いた疑いが持たれ、強権姿勢に反発する市民の抗議活動が全土で活発化していた。モラレス氏は選挙のやり直しを表明して収集を図ったが、軍も辞任を要求して追い詰められた。

モラレス氏は10日、ビデオメッセージで「辞職することを決めた」と述べた。これに先立ち、軍のカリマン大将が記者会見を開き、「大統領に対し、職務を辞するよう勧める」と述べ、退陣を促していた。

ボリビアでは10月の大統領選を巡り、不正選挙の可能性が指摘がされていた。モラレス氏が当選を主張する一方、国際選挙監視団を派遣する米州機構(OAS)や野党は決選投票の実施を求めていた。

モラレス氏の強権姿勢に対する市民の抗議デモが続く中、8日に第3の都市コチャバンバなど複数の街で警官隊が政府の命令を無視して市民側に合流した。このためモラレス氏は10日に大統領選のやり直しを発表したものの反発の声は収まらず、閣僚らが相次ぎ辞職を表明するなど混乱が続いていた。

ボリビアは天然ガスをはじめとする豊富な天然資源を持つほか、電気自動車(EV)の普及により需要拡大が見込まれているリチウムでも世界有数の埋蔵量がある。近年は中国やドイツなどの企業がリチウム開発への投資を表明している。

2006年に先住民として初めて大統領に就任したモラレス氏は一部のエリートが富を独占する従来のボリビアの社会構造を見直し、資源輸出で得た富を低所得者に分配する政策を推進した。天然ガスをはじめとした資源価格の上昇も手伝い、任期中に年5%の平均経済成長率を記録した一方で、憲法や国民投票の結果を無視する強権的な姿勢が批判を集めていた。

・Bolivia's beleaguered President Morales announces resignation
https://www.aljazeera.com/news/2019/11/bolivian-military-asks-morales-resign-ensure-stability-191110200759194.html

(画像)
https://www.aljazeera.com/mritems/Images/2019/11/10/3f578844e7fa4e889263536896c00825_18.jpg

2019/11/11 6:31 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52011430R11C19A1000000/