https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190715/k10011993841000.html

豪の公共放送「記者が警察に指紋提供求められた」と反発
2019年7月15日 17時55分

オーストラリアで軍に関する機密情報が漏えいした疑いがあるとして、この情報をもとに報道した公共放送ABCが警察の捜索を受けた問題で、ABCは取材した記者が警察から指紋などの提供を求められていたことが分かったと伝え、反発を強めています。

オーストラリアの公共放送ABCはおととし、軍に関する機密文書をもとに、アフガニスタンに派遣されていた兵士が民間人を殺害する事件を起こしていたなどとするニュースを報じました。

この報道をめぐって連邦警察は先月、機密情報が漏えいした疑いがあるとしてABCの本部を捜索し、取材を担当した記者2人に対する捜査も行っているとみられています。

これについてABCは、連邦警察が4月に記者2人に対して指紋などの提供を求めるメールを送っていたことが分かったと報じました。

それによりますと、メールには2人が違法に情報を入手した疑いがあると記されていたということです。

ABCは「調査報道と犯罪を同じように扱っている」として強く反発しています。

先月の捜索をめぐってABCは、捜索令状を無効にすることなどを求めて連邦裁判所に訴えを起こすとともに、記者に対する捜査をやめるよう求める書簡を閣僚に提出していて、報道の自由が守られるべきだと訴えています。