邦人社会にも影響拡大 首都圏断水 解消の決め手なく
大統領がラメサダム上流のアンガットダムからの放水を命令。管理するマイニラッドは難色

首都圏各地で続く断水をめぐり、ドゥテルテ大統領は15日、マニラウォーター(MW)社が水源とするケソン市のラメサダム上流にあるブラカン州アンガットダムからの放水を命じた。しかし、アンガットダムの水を首都圏西部などに供給する別の水道会社マイニラッドは「アンガットダムの貯水量も十分ではない」として放水に消極的な姿勢を示しており、断水解消の決め手はなお不透明だ。

 ラメサダムの水位は14日午前6時に68・74メートルへと低下、過去最低だった1998年の68・75メートルを下回った。

 首都圏在住の日本人の間でも、断水による影響が広がりつつある。

 ケソン市の喫茶店「茶庵」を経営する岩本典子さん(65)は、断水が始まった13日から営業時間を短縮。午後10時までの営業を午後5時までとした。「食器を洗ったり掃除ができなくなる」ためで断水が始まる30分前には店を閉めている。同市内の自宅も断水が続いており「断水がない早朝に水を貯めて少しずつ使っている」という。

 マカティ市の場合は、MW社が計画断水地域としている場合でも、水が出る場所と出ない場所がまだら模様になっている。

 同市ベルエアーの日系焼肉店「横浜ミートキッチン」では11日から終日断水。フィリピン人従業員は「全てミネラルウォーターを使って営業を続けているが、いつまで断水が続くのか不安だ」と話す。

 日本人客が多数宿泊する同市のヘラルドスイーツ・ホテルはチノロセス通りの本館のほか、オスメーニャ通り西側のソラナ、Pブルゴスに近いポラリスの系列ホテル3軒全てで14日午後5時から11時間の断水が起きたが、ホテルの貯水タンクで水をまかなったという。

 同市パサイロードの日本料理店「小次郎」も13日から日中の断水が続く。午後8時ごろに断水は解消するが、断水中は予備タンクを使用するなど「不便な状態が続いている」という。

 マカティ市のアヤラ通り周辺など高層ビルが立ち並ぶオフィス街では、貯水槽などが整備されているためか、深刻な断水は起きていないもようだ。同地区にあるマニラ日本人商工会議所も「今のところ水は出ている」。

 ボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)のパーク・トライアングル・モールでは17日午前2時から4時まで断水するとの告知が各テナントに配布されている。(岡田薫、森永亨)


まにら新聞
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