・ 「海賊版は死につつある」――利便性と手ごろな価格設定が海賊版を減らす ISP調査 TorrentFreak

ニュージーランドの通信事業者「Vocus Group NZ」が実施した調査によると、「海賊版は無法者に引き起こされる」のではなく、合法コンテンツの利用可能性や購入可能性によって引き起こされるのだという。Vocusは、海賊版に関わっている消費者はごく一部であるとして、効果が期待できないサイトブロッキングよりも、ニーズに応えることこそが正しい選択肢だと警告する。
タダで手に入るメディアは、トレントサイトやストリーミングプラットフォームなどを飛び回る人々をひきつけてきた。一方彼らが惹きつけられる理由については、コンテンツの価格だけが決定的な要素ではない、とも言われてきた。

海賊版の利用者はよくケチん坊だと言われるが、歴史的にみればコンテンツの利用可能性の最前線に立ち、合法的な選択肢が混在する環境で、いち早く映画や音楽を手に入れてきた。

もちろん、映画・音楽業界はギャップを埋めるための努力を重ね、NetflixやSpotifyなどのサービスを通じて、多数のコンテンツを手頃な価格で利用できるようにしてきた。その結果、いまやたくさんの人々がこれらのサービスを利用している。

ニュージーランドの通信事業者「Vocus Group NZ」が委託し、2018年12月に実施された調査によると、利用可能性の向上はプラスの効果をもたらすという。

Vocusは今朝、「正規ストリーミングサービスプロバイダは、ハリウッドには実現できなかったことを達成しました。視聴者が見たい番組を手ごろな価格で、最高の利便性と共に提供することで、海賊版を抑制したのです」と発表した。

同社は「海賊版は自然になくなっていくでしょう」という。同国内のユーザが、海賊版よりも、簡単にアクセスできる利便性の高い正規のサービスで、合法的にコンテンツにアクセスするようになってきているためだ。

「つまり、海賊版離れが進んでいるのは、得られる価値以上に面倒だからです」とVocus Groupのタリン・ハミルトン顧客担当ディレクターは述べている。

「この調査は、多数のインターネットの専門家が直感的に理解していた真実を確認しています。つまり、海賊版は無法者によって引き起こされているのではなく、欲しいコンテンツを簡単に、手軽に手に入れられない人によって引き起こされているのです」

調査対象者の圧倒的多数(75%)が、無料のテレビ放送でコンテンツを視聴し、61%が放送局の無料オンデマンドチャンネルを利用していると回答した。また、約58%が映画館に足を運び、55%がNetflixなどの有料ストリーミングサービスを利用していた。

もちろん、海賊版も依然として利用されているが、Vocusによれば減少傾向にあるという。

「大きな発見は、一部の人々は日常的に何らかの海賊版を利用しているものの、大多数は有料ストリーミングサイトのおかげで海賊版の利用をやめたこというとです」とハミルトン氏はNZHeraldに語っている。

実際、同社の調査によると、消費者の11%が違法ストリーミングプラットフォームを通じて著作権侵害コンテンツにアクセスし、約10%がトレントなどを利用して違法コンテンツをダウンロードしている。

「調査では、海賊行為を行っている人はごく少数であり、非常にハードルの高いものであることが示されています。消費者は、高品質で、安価で、合法的なコンテンツに喜んでお金を支払います。それこそが、今後の最善の方向性だと考えます」とハミルトンはいう。

Vocusは、市場の動向とストリーミングサービスの海賊版対策としての有効性を確認するために調査を実施したとしているが、それ以外にも懸念材料がある。ニュージーランドでは著作権法改正議論が進行しており、これについてハミルトン氏は、法的措置よりも対話を優先すべきだと主張している。

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2019/3/1
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