・年齢とともにアニメへの関心が薄れても、日本への愛は残る:リュドミラ サーキャン

モスクワにある「児童メディアワークショップ」。ここは書籍出版や写真芸術への理解、アニメーション映画の基礎学習、日本語学習の最初のステップを提供している。9歳から15歳までの子どもを対象とする教育プログラムは教育のプロ集団によって組織。視野を広げたい、将来、つきたい職業分野を見極めたいと望むティーンネイジャーのための補足的な学びの場とも呼べる。

日本語コースでは、日本語の2種類の読み書き(ひらがな、カタカナ)、漢字の書き方や日本語の語彙を学び、書道、折り紙、日本文化の基本が学ばれる。本年度は、コースは1月19日から4ヶ月の会期でスタート。会場はモスクワのドストエフスキー記念図書館だ。

教育者のみならず、美術史家で写真史家の顔も持つ同校のエフゲニア・マルコワ校長は、スプートニクからのインタビューに「児童メディアワークショップ」と日本との関係について語った。

「『児童メディアワークショップ』は、技術と創造的、人道的実践を結びつける教育プログラムとして生まれました。当初開講されたのは写真撮影とアニメーションのコースで、これは現在も継続しています。半年コースと1年コースがあり、子どもたちはアニメーションやグラフィックデザイン作成のコンピューターソフトを使って創作を開始します。こうした学習は、子どもたちが将来、別のことを学ぶ際にも役立ちます。
3年前、子どもたちの間で日本アニメの人気が高まったことから、両親たちからコースを開設してほしいという要望があがりました。それを受け、私たちは有能な教師の発掘やプログラム開発を行ない、アニメコースを開講しました。

ロシア人の親たちの中には、アニメには何か逸脱したものがあると疑って、子どもがアニメに夢中になることを懸念する人もいます。そこで私たちは日本のアニメについて子どもたちと語り合い、素晴らしいアニメを作るだけでなく、教育的な作業も行い、両親と常に対話を欠かしていません。未成年の子どもたちと両親の間に理解の架け橋を築き、アニメには何も悪いことはなく、ティーンネイジャーはこのようにして自分の感情的要求を実現しているのだと説明しています。」

アニメに惹きつけられた子どもは、今度は日本語にも興味をもつようになった。マルコワ校長は「日本語コースを開講するというアイデアは、もともと子どもたちの要望に応えるかたちで生まれたんです」とさらに次のように続けている。

イリヤ・クブシノブのイラスト:漫画やゲームに対するロシア人アーティストの貢献
イリヤ・クブシノブのイラスト:漫画やゲームに対するロシア人アーティストの貢献
「アニメに熱中する子どもらは日本と日本語に興味津々です。そこで私たちは日本語の上手な先生を見つけ、コースを開設しました。この女の先生は日本の武道もたしなんでいます。こうしたコースは特に11歳から13歳の子どもたちに非常に人気があり、この学齢の児童心理が求めるものとぴったりあっています。
アニメグループは10人まで、日本語グループは6人を上限にしているのは、生徒数が多いと非効率になるからです。希望者が多い場合はグループをいくつかに分けています。 また、家族そろって日本へのスタディーツアーを組んだり、アニメをテーマにした子どもサマーキャンプも組織しています。

最も重要なことは、年齢とともにアニメへの関心が薄れても、日本への愛と得られた知識や能力は蓄えられ、どんな職業を選ぶにしてもこれが役立つということではないでしょうか。」

年末の数日間、「児童メディアワークショップ」は通常の子ども向けのクリスマスイベントではなく、日本の伝統的なお正月の過ごし方やダルマの色付け、日本の年賀状の作り方などが学べる「日本のクリスマス」を催した。

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2019年01月11日 14:07  スプートニク日本
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