2018.10.5 22:59

 【パリ=三井美奈】仏メディアは5日、中国出身の国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)の孟宏偉総裁が、本部のあるフランスから帰国後、連絡がとれなくなり、仏当局が捜査を始めたと報じた。

 民放ラジオ「ヨーロッパ1」によると、孟総裁は9月29日にフランスを出発。妻は子供とともにICPO本部のある仏中部リヨンに残り、行方が分からなくなったとして仏当局に通報した。すでに事情聴取を受けたという。関係筋は「仏国内で行方不明になったのではない」と明かしており、中国入りした後に消息を絶ったとみられている。

 中国では、著名女優の范氷氷(ファン・ビンビン)さんが3カ月近く消息不明となり、今月初め、脱税で巨額の罰金支払いを命じられたことが報じられたばかり。孟氏も何らかの理由で当局の調べを受けている可能性は排除できない。

 ICPOには、約190カ国・地域が加盟。孟氏は2016年、中国出身の初の総裁として就任した。欧州には中国の反体制派が多く活動しており、就任時には人権団体から「中国によるICPOの政治利用」を懸念する声があがっていた。総裁任期は4年。

https://www.sankei.com/world/news/181005/wor1810050038-n1.html