・ ドイツ 与党内対立が先鋭化へ 長官去就巡り3党首会談

【ベルリン中西啓介】極右集団ネオナチによる襲撃を否定する発言をした独情報機関「憲法擁護庁」の長官の去就を巡り、メルケル独首相ら与党3党首は18日、ベルリンで会談する。左派系与党の社会民主党は長官罷免を求めるが、最右翼の閣僚で南部州地域政党を率いるゼーホーファー内相は長官の留任を公言している。留任・罷免どちらを選んでも与党内の対立が先鋭化することは必至で、メルケル氏は困難な決断を迫られている。

 問題になっているのは、今月7日付の独紙ビルトに掲載されたマーセン憲法擁護庁長官のインタビュー。東部ケムニッツで先月起きたネオナチデモの際に撮影された外国人襲撃動画について、長官は「(移民系などを狙った)迫害の情報はない」「意図的に流されたウソという根拠もある」と主張した。

 ナチス政権に多くの党員が殺害された歴史を持つ社民党はこれに猛反発。ナーレス党首は「長官は辞任すべきだし、そうなる」と述べ、党として留任を許さない方針を決めた。だが、難民・移民抑制を主張するゼーホーファー内相は国会演説で長官を「信用している」と述べ社民党への譲歩を拒否した。

 ゼーホーファー氏は7月にも強硬な単独難民抑制策を主張しメルケル氏と対立。政権危機を招いた。10月に地元バイエルン州議会選を控え、反イスラムの右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)に保守の票田を奪われる不安から、内相は「メンツを失う」長官罷免に強硬に反対する可能性もある。

 独紙ウェルトは18日、政権内部の情報として「メルケル首相がマーセン長官の解任を決意した」と報道した。メルケル氏は長官が内相管轄下の官僚でありながら、度を越した政治的発言を行ったとの見方で、内相が反対したとしても長官を罷免する方針という。ただ、メルケル氏はこれまで与党内の調和を重視し、一方的な人事断行は避けてきた経緯があり、政権危機を招く決断に踏み込むかは不透明だ。

・Der Fall Maaßen
Seit seinen Äußerungen im Zusammenhang mit dem Aufmarsch von Rechtsradikalen in Chemnitz am 26. August 2018 steht Verfassungsschutzpräsident Hans-Georg Maaßen in der Kritik.
https://www.zdf.de/politik/frontal-21/der-fall-maassen-102.html

9月18日 19時03分 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180919/k00/00m/030/042000c