(CNN) 背中のエンジンをかけてひざを曲げた次の瞬間、空中に浮かび上がって、ロンドンの街の上を行ったり来たり――。
 米映画「アイアンマン」さながらの「空飛ぶスーツ」が英国で正式に発売された。

ロンドンの金融街で石油取引の仕事をしていたリチャード・ブラウニング氏(39)が3Dプリンターで部品を作り、
5つのジェットエンジンを組み込んで製作した。

父方の祖父は戦闘機パイロット、母方の祖父はヘリコプター・メーカーの経営者。
ブラウニング氏の血には「空を飛びたい」という願望が受け継がれていたのだろう。

スーツ作りは英海兵隊での予備役時代に思い立った。当初は仕事を続けながら遊び半分に開発していたが、
やがて「一度きりの人生、後悔はしたくない」と考えるようになった。

2017年春、英南部ウィルトシャーの自宅に「グラビティ」という会社を設立。
「ウィルトシャーのアイアンマン」は一躍、世界から注目を集めるようになった。

最初からアイアンマンを意識していたわけではないという。だがある時、初期の映画を手掛けたチームから連絡があり、
実物の空飛ぶスーツをとても正確に想定していたことが分かったという。

同社の「1050bhpジェットスーツ」はロンドンの高級デパート、セルフリッジズで発売された。
価格は34万ポンド(約5000万円)。最大時速は約50キロ、高度約3700メートルまで到達できる。
匿名の有名人がすでに1着目を購入している。

「操作は簡単。スキーやローラーブレードのできない私でも自然にバランスが取れる」と、ブラウニング氏は強調する。
体験飛行や出張実演も受け付けているという。

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CNN
https://www.cnn.co.jp/tech/35122882.html