米電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は25日までに、
メディアや記者・編集者の信頼性や、
その記事の信ぴょう性を読者が評価するサイトを立ち上げる計画をツイッターで明らかにした。
名称については「プラウダ」にするという。

 プラウダはロシア語で「真実」を意味し、
かつては1000万部以上と世界最大の発行部数を誇った旧ソ連共産党機関紙の名前でもある。

 マスク氏は「問題はジャーナリストが最大のクリックを得て広告料を得るか、
解雇されるか絶えずプレッシャーにさらされていることだ。
テスラは広告を出さないのに、化石燃料の会社やガソリン・ディーゼル燃料の車メーカーが世界有数の広告主であるのだから、
油断のならない状況だ」と、あたかもテスラのライバルである自動車メーカーなどの圧力で不当な記事が出ていると主張。

 一方で、「いつも誰かがメディアを批判すると、
メディアは『お前はトランプ(米大統領)みたいだ』と金切り声を上げるが、
トランプがなぜ大統領に選ばれたか考えたことはあるか? だれも記者を信じていないからだ」と、メディアを批判した。

 テスラについては、
価格を抑えた新型セダン「モデル3」の量産が難航して経営不振と資金繰り悪化の大きな原因となっていることや、
自動運転に準じた半自動の「オートパイロット」機能を使っていた同社の電気自動車が
死亡事故を起こしたことなどがメディアにたたかれており、
マスク氏が反発を強めていたことも新サイト立ち上げの背景にあるとみられる。

 マスク氏は4月1日にも、「テスラが経営破綻した」とツイッターに投稿。
エープリルフールの冗談だったが、事業の先行きに対する懸念が高まっていることを受けて2日の同社の株価は下落した。

 マスク氏は南アフリカ出身の起業家で、宇宙ベンチャーのスペースXのCEOも務める。
歯に衣を着せない発言と従来の常識にとらわれない経営手法が一部で反発を呼ぶ一方、
熱烈なファンも多く、ツイッターのアカウントには約2180万のフォロワーがいる。

 プラウダは旧ソ連共産党の政策を宣伝するために運営された新聞で、当然のことながら、
ソ連当局の要求の元、事実の歪曲やねつ造、うそに満ちた記事を掲載したことで知られている。
ソ連時代にはプラウダ以外に政府紙イズベスチヤがあったが、こちらは「報道、ニュース」との意味。
ここから「プラウダ紙にはイズベスチヤ(プロパガンダ以外のニュース)がなく、
イズベスチヤ紙にはプラウダ(真実)がない」というアネクドート(政治小話)が生まれたが、
マスク氏はこのことを知っているのだろうか。

画像:イーロン・マスク氏
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