【5月25日 AFP】
妊娠中絶を合法化する法案の採決を来月に控えて議論が白熱しているアルゼンチンで、
10歳の少女が母親の再婚相手にレイプされ妊娠したことが明らかになり、国内に衝撃が走っている。

 この少女は、腹痛を訴えて受診した病院で妊娠21週と診断された。

 アルゼンチンの現行法では、レイプによる妊娠や母体の健康に危険がある場合に限って中絶を認めているが、
少女の住むサルタ(Salta)州は保守的な傾向が強く、レイプ被害者については妊娠12週までしか中絶を認めていない。

 サルタ州当局によると、少女と母親は書面で中絶を拒否したという。
しかし、女性の権利活動家でジェンダーに基づく暴力に反対する運動「NiUnaMenos」の創設者でもある
マリアナ・カルバハル(Mariana Carvajal)氏は、当局の説明には疑いの余地があると指摘している。

「少女の家族はおびえている。当局が母親に妊娠中絶は非常に危険だと告げたからだ。
少女自身がどう考えているかは分からない。妊娠中絶はまだ可能だ」とカルバハル氏はAFPに語った。

 カルバハル氏によると、少女は妊娠12週以内だった2月に病院を受診したが、そのときは便秘と診断されていたという。

 少女が母親の再婚相手から日常的にレイプされていたことが発覚したのは、2度目の受診のときだった。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によると、アルゼンチンでは年に2700人もの10〜14歳の少女が出産している。

 アルゼンチン議会では6月13日に妊娠中絶合法化法案の採決が行われる予定。
ローマ・カトリック教会の反対にもかかわらず、世論調査では大半の国民が法案を支持している。(c)AFP

画像:アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで行われた妊娠中絶合法化法案に反対するデモ
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AFP
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