慰安婦像台座部分のプレート損傷で「マニラ市と協力して修復目指す」と国家歴史委員会

首都圏マニラ市に設置されている慰安婦像の台座部分のプレート文字が消されていた問題で、フィリピン国家歴史委員会は1日までに、管理者のマニラ市と協力してプレートの修復を目指すとの方針を明らかにした。一方、警察当局は器物損壊の疑いがあるとして、捜査の可能性を示唆した。

 国家歴史委は史跡の設置や管理を行う政府機関。調査室の担当者はまにら新聞の取材に「委員会が作成を担当したのは、像の台座前部分にある『メモラーレ(記憶)』の題名だけ」と指摘しながら、「その他の部分はマニラ市が担当。像設置自体も市が許可を出しており、題名の文も除幕の際に市に引き渡しているために市の管理下にある」と説明した。

 また像の作者名、題名が消されたことについて懸念を表明、歴史委のエスカレンテ委員長と協議した上で「管理者のマニラ市と協力して、プレートの修復を進めていきたい」と述べた。

 一方、首都圏警察マニラ市本部の当局者は、像の損傷は改正刑法(共和国法第3815号)の器物損壊の容疑に当たるとして、マニラ市などから被害届があれば捜査する可能性があることを明らかにした。

 傷付けられたのは慰安婦像の台座部分の裏側にある「フィリピン人慰安婦の像 ジョナス・ロセスがデザイン」と英語で書かれた縦8センチ、横20センチほどのプレートで、表面部分が薬品で溶かされたか、削られたような状態になっている。

 マニラ市や大統領府、像設置関係者はいずれもプレートが傷付けられたことについて「関知していない」としており、誰が何の目的で行ったかは不明だ。(冨田すみれ子)

まにら新聞
http://manila-shimbun.com/category/society/news236866.html
http://manila-shimbun.com/image.php?file=236866l.jpg