ハリケーン「イルマ」の渦巻きの中心部(Hurricane Hunter/U.S. Air Force)
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米空軍のハリケーン追跡部隊が接近したイルマの中心部(U.S. Air Force)
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中心部は周囲を厚い積乱雲の壁が取り囲んでいる(U.S. Air Force)
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カリブ海で発達を続ける超大型ハリケーン「イルマ」は9日正午現在、キューバに上陸し、あす以降、米南部フロリダ州に上陸するとみられている。
そうしたなか、米空軍のハリケーン追跡部隊が、中心の目の内側から見た貴重な画像を公開した。

 米国立ハリケーンセンター(NHC)は8日、イルマの勢力をいったんは「カテゴリー4」に引き下げたものの、その後、再び最強の「カテゴリー5」に戻した。

 現在の中心気圧は924ヘクトパスカル、最大風速は毎秒72メートルで、今後も勢力を維持したまま、あすにはフロリダ州先端のキーズに上陸。
マイアミ周辺では猛烈な暴風雨に見舞われる可能性が高いとして、州知事が避難地区の住民に速やかに避難するよう指示を出した。

 米空軍でハリケーンの動向を監視している追跡部隊、通称「ハリケーン・ハンター」は6日、イルマの中心の渦に飛び込んで収集したデータ画像を公開した。

 この日、イルマは西インド諸島の東の海上を、最大風速70メートル以上の勢力で西進していた。
米空軍は、パイロットふたりとフライトエンジニアを乗せた「C-130Jスーパー・ヘラクレス」に観測装置を搭載し、ハリケーンに接近。

 スーパー・ヘラクレスは、高度3000メートルで飛行できる軍用輸送機で、ハリケーンの上空を飛行中に、
パラシュートがついた「ドロップゾンデ」という円筒形の無線機付き観測測定器を投下。

 測定器は落下中に気温や温度、気圧、風向、風速を観測し、収集したデータは無線で航空機のコンピューターに送信される仕組みで、
日本でも気象庁が台風の観測や予報を目的に、実験的に導入を進めている。

 この装置がとらえたハリケーンの目の内側は大きく広がっていて、周囲を厚い積乱雲の壁が取り囲んでいる。
競技場の形に似ていることから「スタジアム効果」と呼ばれていて、ハリケーンや台風の勢力が強くなるほどみられるという。

 日本では「台風の目に入った」というと、雲がなく、風もほとんどなく、澄み切った青空が見える状態を指すが、
下界に暴風雨をもたらしているハリケーン・イルマの中心も、驚くほど穏やかに見える。

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