【漫画】大ヒット漫画『チ。』の魅力は「好奇心に蓋をしない」 生き方を命がけで肯定してくれるとこ [カラス★]
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『週刊ビックコミックスピリッツ』連載中の『チ。─地球の運動について─』がすごい。天動説に疑問を持った15世紀の天文学者たちの戦いの物語が、なぜ、こんなにも今に刺さるのか。天文に詳しいライター・ツヤマユウスケがその魅力に迫ります。
【画像】最新刊5巻では、いよいよ異端審問官ノヴァクにスポットライトが!(顔怖い)
「知」と「血」と「地」を描く
マンガ『チ。─地球の運動について─』(魚豊*読み=うおと/小学館)の舞台は15世紀ヨーロッパ。当時、異端思想とされていた地動説を命がけで証明しようとした人々を描いた物語だ。
『マンガ大賞2021』で第2位、「次にくるマンガ大賞2021コミックス部門』で第10位にランクインした話題作。2020年9月から『週刊ビックコミックスピリッツ』で連載が始まり、最新刊第5集が2021年9月30日に発売された。
タイトルの『チ。』には複数の意味が込められている。1つ目は知性の「知」。2目は、知性を抑え込もうとする暴力の歴史があったという意味の「血」。3つ目は地動説の「地」だ。
『チ。』で描かれた約600年前の人々は、地球の周りを太陽や他の星々が回ると考えていた(天動説)。そして、ヨーロッパ文化圏を支配するカトリック教会もこの説を後押しする。なぜなら神が創成した特別な星、地球が宇宙の中心だという思想が根底にあるからだ。17世紀、かのコペルニクスが地動説を唱えた本は禁書となり、彼の説を支持したガリレオは宗教裁判で有罪判決を受けた。
このような歴史的背景がベースになっているが、作中、過去に実在した天文学者は登場しない。作者のオリジナルキャラクターたちが地動説を研究する。その担い手として最初に描かれるのが、第1集の表紙を飾る少年ラファウだ。
彼は12歳にして大学進学が決まった超秀才。普段、個人的な興味で天文学を勉強している。夜空を眺め、星の動きを記録するのが日課だった。ある日、地動説を研究していたという元囚人と出会うところから物語が始まる。
恐ろしい拷問器具で脅される
元囚人の男から地動説を聞かされたとき、ラファウは突拍子もない考え方だと感じた。だが地動説の信憑性に気づき、研究ノートをまとめ始める。
運の悪いことに、このノートが教会の異端審問官ノヴァクに見つかってしまう。疑いをかけられたラファウは何とかごまかそうとしたが、牢獄行きとなった。そして恐ろしい拷問器具で脅され、研究を諦めるよう迫られる。
ところが、ラファウは裁判の場で「地動説を信じてます。」と宣言した。この想定外の言動に戸惑うノヴァク。彼に対してラファウは言う。
「敵は手強いですよ。あなた方が相手にしてるのは僕じゃない。異端者でもない。ある種の想像力であり好奇心であり逸脱で他者で外部で………畢竟。それは知性だ。」
第2集で登場する修道士バデーニも好奇心の塊だ。天文学のことだとアクセル全開になる。必要以上の勉強をするなと上司に注意されるし、新しいことを知ってテンションが上がると「オエッ オォロロロ」と突然嘔吐してしまう。過労で床にぶっ倒れるまで研究に没頭し、同僚をびっくりさせることもある。
ラファウもバデーニも、これまで信じてきた現実がウソかもしれないと気づいている。地動説が正しいのかどうか気になって仕方がない。残念なことに、当時の世間は彼らをまったく許容できず、異端者として拷問や体罰で抑え込もうとした。誰でも自分の好きなことを学べるなんていうのは本当に幸せなことだ。今なお学問の自由が実現していない国や地域は少なからずある。
やりたいことを貫くのには勇気がいる。たとえば職場や学校や家庭の中で、自分の関心事に対して他人から「よくない」と非難され、息苦しさを感じた経験は誰しもあるだろう。『チ。』のストーリーは、それでも好奇心に蓋をしないという生き方を全力で肯定するのだ。 現代版「異端」天文学者・ブライアン・メイ
実は、『チ。』で描かれたことを地でいく天文学者が現代にいる。──ブライアン・メイ。彼が異端たるゆえんは、その経歴。ロックバンド「QUEEN」のギタリストでありながら、天体物理学の博士号を持つ。
1971年、23歳だったブライアンは大学院在学中にQUEENを結成した。音楽と研究、二足のわらじ生活を始めたところ、彼は父と何度も衝突することになる。父から「芸術家と科学者に同時になることはできない」「選択しなければならない」と繰り返し忠告されていた(インタビュー「わたしと宇宙」『宇宙のとびら(第51号)』宇宙航空研究開発機構)。
一方ブライアンは、「その考えは間違っていると思います。人生の中でずっとそれと戦ってきました。ぼくはあらゆるものに興味がありました」と言う(前掲インタビュー記事)。そして父の反対を押し切って、二足のわらじ生活を何年もつづけた。しかしライブや収録で多忙を極め、やむなく彼は学業を中断する。
それから80年代・90年代以降、QUEENメンバーとしての活動やソロ活動をしつつも、天文学への興味を失うことはなかった。2006年、ブライアンは何と30年のブランクを経て研究を再開。翌年、インペリアル・カレッジ・ロンドンにて悲願の博士論文を発表した。最近では、音楽活動を継続しながらJAXAの「はやぶさ2」プロジェクトにも協力したという。
『チ。』のキャラたちもブライアンも、好奇心に素直でいる姿が実にカッコいい。きっと今も昔もけっしてラクな生き方ではないだろうが、自分も彼らのようになろうと奮い立たせてくれる。
9月30日に発売されたばかりの『チ。』最新刊第5集では、ラファウやバデーニを追い詰めた異端審問官ノヴァクにスポットライトが当てられる。いよいよ重大な局面を迎える『チ。』から目が離せない。
ツヤマ ユウスケ
ライター。アニメや映画の宇宙考察記事をnoteで執筆。フォトメディア『DOF magazine』ではカメラマンとしても活動。 あの異端審問官が物語を目撃していく役かなと思ったけど,ここ数話出てこない キリスト教(プロテスタントだが)学校勤務理科教員の俺
なんとなく、読んでるとか読んでみてとか言いづらい あの時代の異端審問の実態については実感が無いから興味深いね。 つまらなくはないんだが
あちこちで異常に推されてて気持ち悪い いや、確かにとても面白いんだが
次にくるマンガ大賞の10位ってわざわざ書くほど自慢になる話か? ■チ。ー地球の運動についてー (第一話・第二話を試し読み)
https://bigcomicbros.net/work/35171/
うーん……
暴力表現がないと伝わりにくいし売れない、という事情は理解できるけど…… アメリカで進化論肯定派が半数を超えた一方で、
イスラムの中では先進的だったトルコでも進化論が学校教育から外されたり、
今なお、宗教と科学のあれこれが続いているから、興味深くはある 人死に過ぎだと思う
コペルニクスは発表が晩年だったとはいえ異端審問すらされていないし、ガリレオは宗教的というより権力争いに巻き込まれて異端審問に掛けられた側面が大きい
しかもガリレオは地動説を禁止されただけで処刑されたりしたわけではないし、二人とも研究段階から命がけだったわけじゃない
公の場で発表したり出版したりした後に問題になっただけ 凄い面白くて新刊出る度に買ってる
ただ単行本の裏表紙に地球とか太陽の解説文みたいなのが乗ってるんだけど「出典:wikipedia」って堂々と書いてて笑っちゃった 適当な本からでもいいから引用すればいいのにw ただ最近では地動説唱えてた学者に対する苛烈な拷問や処刑は
実際にはなかったって話になってるっぽいな >>25
後からの創作が多い。
殺されたり拷問された人もいるけど、とにかく誇張が大きすぎてどこまで本当なのかというと大半が眉唾。 気概はいいと思うけどヨーロッパの歴史モノは背伸びしすぎだな
理想がヨーロッパの歴史映画としたらこれはそこらの小劇団の舞台レベル カトリックを貶めたかったプロテスタントの陰謀ということでいいの? ちょっと魔女狩りが極端過ぎるからな
流石にこのレベルだと社会不安からの暴動だろう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています