AnimeJapan2019で3月23日、ビリビリ(bilibili)とファニメーション(Funimation)がアニメコンテンツ分野で戦略的に提携することを発表しました。これにより中国に基盤を持つビリビリと、米国のファニメーションの双方が、それぞれが保有するコンテンツを相互の地域で展開できるようになるとのこと。


 ビリビリはニコニコ動画のようにコメントを表示できる動画配信プラットフォーム「ビリビリ動画」を中心として、近年急速に存在感を拡大。2018年3月には米Nasdaq市場に上場し(関連記事)、12月には大規模発表イベント「MADE BY BILIBILI」で20本以上の新作アニメ製作を発表しました。


 一方のファニメーションは1994年設立の老舗配給会社で、「ドラゴンボールZ」、「僕のヒーローアカデミア」、「進撃の巨人」など数々日本の人気作を北米で展開してきました。2016年には配信サービス「FunimationNow」をスタート。2016年〜2018年には米Crunchyrollとの提携を元に、保有コンテンツを両社間で提供する試みも行っていました。2017年7月にソニーの米子会社Sony Pictures Television Networksに買収された影響などからCrunchyrollとの提携は終了していましたが、今回再びビリビリと強力なタッグを組んだ形に。

 発表資料によるとビリビリは日本の新作アニメーションの実に64.4%を中国で配信(2017年および2018年上半期)。加えて日本の制作会社feel.、ZEXCS、Assez Finaud Fabricを傘下に持つ中国企業ファンメディアの一部株式を取得し、日本自社制作スタジオも開設するなど、自社コンテンツの発信にも力を入れています。

 今回の提携により、日本のアニメがよりスムーズに中国と米国で配信されるようになったことに加えて、中国産のアニメが米国で配信される経路が新たに誕生した側面も大きそうです。

 ビリビリの副社長兼COOのカリー・リー氏は「今回の提携により、互いの優位性を最大限に発揮することで、アニメーション産業のグローバル化をさらに推し進めることになると期待しています」とコメント。ファニメーション会長兼CEOのゲン・フクナガ氏は「我々は、ビリビリと提携し、一緒に新しいアニメーションの開発と頒布をするチャンスを得ました。大変嬉しく思います」とコメントしています。

 両地域で新たに配信開始となる具体的なタイトルなどは明かされていませんが、「詳細な情報は追って公開予定」とのことです。

■ビリビリ副社長兼COOのカリー・リー氏のコメント

 Funimationは長年に渡る、日本産アニメーションの北米におけるビデオグラム展開・劇場配給経験を持ち、優秀な作品を多く世界市場に投入してきました。ビリビリとは非常に親和性が高いサービス機能をお持ちです。今回の提携により、互いの優位性を最大限に発揮することで、アニメーション産業のグローバル化をさらに推し進めることになると期待しています。

■ファニメーション会長兼CEOのゲン・フクナガ氏のコメント

 我々は、ビリビリと提携し、一緒に新しいアニメーションの開発と頒布をするチャンスを得ました。大変嬉しく思います。このコラボレーションは全世界のアニメーションの需要の推進とサービス向上に貢献します。市場に、刺激的な新しいアニメーションをただ発表するだけではなく、世界中のファンのそばへ届けることができるようになります。そして、それによって我々の™サイマルダブ作品™ (ファニメーションでは日本放送の一週間後に、自社プロデュースの英語吹き替え放送を実施している)を放送する能力も大いに向上することができると思います。今日は、業界にとってもすべてのアニメーションのファンにとっても、本当に素晴らしい日になったと思います。

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ねとらぼ
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