2018年もゲーム業界は大きく動いた。

 2017年に「ドン勝」という魔法の言葉で世界を虜にした『PUBG』こと『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』を火付け役に、2018年は『フォートナイト バトルロイヤル』 の参戦でバトルロイヤルゲーム戦国時代が本格的に激化。結果、基本プレイ無料の巧妙なゲームモデルやクロスプラットフォームへの対応などが功を奏し、1年間で『フォートナイト』は世界の頂点に立った。

 そして、成功の大波に乗ったEpic Gamesが次に斬り込んだのが、長年にわたりSteamの一党独裁が続くPCゲーム配信プラットフォーム事業だった。これまで業界スタンダードとなっていた開発側との利益配分率を大きく見直すことで、Epic Gamesは脱Steamの流れを加速させようとした。この競争に、2018年夏からゲームストアへ参入したチャットアプリDiscordも加わることで、PCゲームプラットフォームはわずかながらも多様化への兆候を見せ始めている。

 一方、いまや中国のゲーム業界では、共産党による機構改革によってゲームライセンスの認可が一時凍結された。 その影響は、莫大なチャイナマネーで世界の名だたる大手ゲーム会社を傘下に収めたテンセント・ホールディングスの時価総額を大幅に下落させる事態を生んだ。

 2019年になっても続くであろう、2018年に世界のゲーム業界で起きた大きな出来事を3つのテーマに分けて振り返ってみよう。

■新たな対戦ジャンルとして確立された「バトロワ」

 2017年3月に流星のごとく登場し、それまでSteamのプレイヤー人口でトップに君臨していた『Dota 2』、『Counter-Strike: Global Offensive』(CS:GO)を抜いて桁違いの人気を誇った『PUBG』。その4ヵ月後に発売されたEpic Gamesの『フォートナイト』は、同年9月、時流に乗る形でバトルロイヤルというゲームルールを採用し、基本プレイ無料の『フォートナイト・バトルロイヤル』で『PUBG』の一人勝ちに待ったをかけた。ゲーム業界におけるバトロワ戦国時代の始まりである。

 あれからおよそ1年あまり。増加の一途を辿っていた『PUBG』のユーザー数は落ち着きを見せ始め、Steamデータベースのプレイヤー人口ランキングはふたたび『Dota 2』、『CS:GO』を混じえた三つ巴の状態へ戻っている。しかし、Steamというリングの外でひたすらに躍進を続けていたのが、基本プレイ無料のビジネスモデルとクロスプラットフォームへの対応で、いまや世界最大のビデオゲームと呼ばれるまでに成長した『フォートナイト』だった。

 現在までに、PCのみならずプレイステーション4やXbox One、Nintendo Switchといった家庭用ゲーム機はもちろん、さらにはiOSやAndroidを対象にモバイル端末へも移植され、その人気は衰えることを知らない。2018年11月には、1983年から続く世界最大規模 のゲームアワード「Golden Joystick Awards」で、ベスト対戦ゲームおよびゲーム・オブ・ザ・イヤーの二冠に輝いた。また同月、登録プレイヤー数が2億人を突破したことが経済誌などで報じられ、世界規模の社会現象として話題になったことも記憶に新しい。

 このほか、ワールドカップ決勝戦でゴールを決めた選手が、ゲーム内に登場するエモートダンスを披露したり、賞金総額10億円の世界大会が開催されたり、日本国内でもアイドルグループTOKIOが出演するテレビCMがお茶の間で放映されたりと、2018年は『フォートナイト』の話題が尽きない1年だった。


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